糖尿病とは
中高年世代の男性たちに恐れられている生活習慣病の一つです。
職場の定期検査を受けたあと、「要再検査・血糖値が高い」の結果に健康に自信をなくす人も少なくないようですが、一度の検査で尿から糖が出たからといって即座に悲観するのは、性急すぎるでしょう。測定する時間や、その日のの調子などによって尿に糖が出ることは、ほかにも原因が考えられるからです。
大切なことは、必ず再検査をするよう心がけて、正確な状態を知ることです。
免疫不全
血中のブドウ糖は、生命を維持する大切なエネルギー源で、少なすぎても多すぎても健康は保てません。そこで、すい臓から分泌されるインスリンが、この血中のブドウ糖を調節してエネルギーにかえ、つねに一定量に保つ働きをしているのです。
糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンが十分でないため、その働きが足りなくなり起こる病気です。そのインスリンが十分でないと、糖分が血中に過剰に存在することとなり、しまいには尿といっしょに排泄するようになるわけです。
血中に過剰に存在する糖分は、それが毒物となってからだの免疫を低下させ、老化を促進させます。これを免疫不全といい、このために病気が治りにくくなるのです。
発病
糖尿病の恐いのは放置するといろいろな余病を併発することです。
正常に免疫抵抗力を備えた健康体なら、少々の病気や病原体をはねつけることができますが、糖尿病になると、免疫力が不足のため、抵抗力が低下することで、血管や神経を痛めつけることになります。すい臓の機能の低下で、インスリンの分泌が減ることで、血糖値が上昇し、尿中にブドウ糖が出ることで発病するのです。
原因
糖尿病には、原因としては2通り考えられます。
一つは、すい臓でインスリンをつくり出す働きが弱い体質で、外から注射でインスリンを与える必要がある場合で、重症の糖尿病になりやすいのです。このインスリンの分泌カの弱い体質は、遺伝する傾向が多いのですが、一般的に日本人に少ないようです。
もうひとつは、成人から老年に多く、過食・過飲・肥満・運動不足などによるものです。
生活習慣を改善することでコントロールできるケースです。
合併症
糖尿病が恐いのはさまざまな病気を併発することです。
動脈硬化が起こりやすく、とくに心臓の冠状動脈の硬化による狭心症、心筋梗塞になる恐れがあります。また、脳の血管障害として、脳出血や脳軟化症が引き起こされる場合もあります。
そのほかに、糖尿病性網膜症があり、視力が弱って、ときには出血して、失明におよぶこともまれにあります。
また、糖尿病性腎症は尿中にたんばくや赤血球が出て、全身のむくみを生じ、老廃物が蓄積して、尿毒症を起こす危険があります。神経障害を併発することもあります。手足の先がしびれたり、感じが鈍くなる症状です。
白内障は糖尿病の合併症で特徴的なものです。これにかかりますと、眼の水晶体が白く混濁して視力が低下します。
さらに、糖尿病は感染症を引き起こしたり、女性の場合には、妊娠・分娩の異常を起こす可能性が高いと指摘する学者もいます。
糖尿病に対する心構え
ふだんから食生活に注意を払い、予防を心がけることです。過食、肥満、糖尿病発症という経路をたどらないことが大切です。
糖尿病は、日頃から美食を好み、食べすぎ、飲みすぎ、運動が不足気味で、脂肪太りの人に多くみられます。
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