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物忘れは誰にでもある
脳の働きは複雑です
脳細胞は1日に10万から20万個死滅し、二度と再生されません。
人間の脳の140億個にもおよぶ袖経細胞の数は、ほとんどが胎児の時にできあがったもので、誕生してからは減少するばかりなのですが
老化にしたがってどんどん頭まで弱ってくるかというと、そのようなことではないのです。
140億個脳細胞のうち、一日に18万個ずつ減っていくとしても、70年間で46億個。
つまり、二〇代から減少が始まっても、九〇歳で三分の一がなくなるだけなので
実際の脳細胞のうち、4分の1しか活用していない人間のとっては、老化、老化とあまりあわてることはありません。
脳の向上
確かに、生まれつき脳が持っている記憶力や運動の反射的能力などは、老化によって低下しますが、長年の経験を積み重ねて獲得してきた言語知識や判断力は、むしろ年をとるとさらに向上します。
老いは決して負の要素ばかりではありません。
最初から覚えていない
そもそも、物忘れだと思っていることの大部分は、もともと最初から覚えていないのである。
ものを覚えるには、最低20秒くらいの時間がかかります。
たとえば、玄関の鍵をかけるのに20秒もかける人はおりませんので
鍵をかけたかどうか「忘れた」 のではなくて、最初からその記憶は脳に定着していない、つまり覚えていないということになります。
手足を動かして脳を鍛える
ドイツの哲学者カントは「手は外部に存在する脳みそである」といった。
人間の指先には、数百万の神経細胞があるが、これを使うと、脳の中の運動神経細胞が興奮する。この刺激が脳の機能を活発にさせ、脳の老化を防ぐ。
具体的には、手を使うマージャン、ピアノ、パソコン、手芸などはいずれも効果的だ。
手八丁、口八丁で、手をこまめに動かしている人はボケにくい(笑)
歩くという行為も脳を強く刺激する
歩くと体全体の筋肉を使うので、大脳皮質が刺激され、何よりの脳の老化防止対策になる。
日記と辞書
もうひとつ老化防止に最適なのが、日記だ。
日記を書くにはその日一日を振り返り、反省し、短い言葉で要約しなければならない。
わからない言葉があれば、辞書をひく必要も出てくる。
こうした作業は非常に高度な頭脳労働であり、しかも毎日それが繰り返されるわけだから、効果は抜群だ。
テレビとラジオ
最近は、情報収集をテレビで行う人が多いが、新聞や本に比べると脳の老化防止には効果が薄い。テレビの視聴時間の長い人はたいてい、受動的な動機で観ている場合が多いからである。
これに対し、ラジオは想像力をかきたてるし、聴取者はラジオから流れる言語に集中する必要があるので、脳を鍛える効果は十分にある。
変化の中に自分の身を置く
努力も大切だ。
仕事、家庭生活を問わず、単調でワンパターンな生活は脳への刺激を奪い、脳を衰えさせてしまう。
毎朝決まった時間に出社し、決まった時間に決まった道をたどつて帰宅する。
こんな生活では、ボケの準備をせっせとしているようなものである。
そしてもちろん、脳を鍛える特効薬として、「生きがい」をあげなければならないのは当然のことだろう。
脳を鍛える八力条
@(同じ道を歩かない)
いつもと違う道を歩いて、脳を柔軟化させる。同じところばかりに水が流れると、他のところには水
が流れなくなってしまう。この現象をキヤナリゼーション (水路化)というが、これは脳にもよく当
てはまる。水路化した脳からは、いつも決まりきった発想しか出てこない。
A(左手で歯を磨く)
情緒的思考の右脳、論理的思考の左脳。右利きの人が左手を意識的に多く使うと、左半身を支配して いる右脳を刺激する。
B(かたいものを噛む)
噛む動作は脳の血流を増加させ、筋肉を通じて脳に覚醒刺激を与える。
C(大声で話し、大声で笑う)
大声で叫ぶと腹式呼吸につながり、血液中の酸素量を増やす。
D(手足を常に刺激する)
家では裸足で歩き、パソコン、楽器演奏を積極的に行う。クルミなどを握るのもよい。手や足に密集 しているツボを刺激することにより、動作の命令をするためにいつも脳が働く。
E(入浴中、入浴後の冷水洗顔)
皮膚刺激を最も効果的に行うのは、全身に温水と冷水を交互に浴びることだが、体に負担をかけてし まうのも事実。そこで、入浴中、入浴後に冷水洗顔をすることにより、毛細血管、自律神経、感覚神 経を通じて、脳に刺激を与える。
F(電車の中での頭の体操)
新聞を読む、ウォークマンを聞く、ぼんやりする、眠るのもよいが、脳の活動をたくましくするには、 週刊誌の中吊り広告を見比べたり、見知らぬ人を観察し、想像することで脳を鍛えるのも大切。
G(朝食抜きは老いを加速)
体重の2%に過ぎない脳は、体の全エネルギーの18%を消費する。脳のいちばんの栄養素であるブド ウ糖を補給しておかないと、職場での集中力が低下し、頭の回転が鈍くなる。 |
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